起立性調節障害(OD)とは
主に中学生・高校生が発症する、子どもの自律神経失調症です。
※このページの内容は、NPO起立性調節障害ピアネットAlice主催の講演会『「起立性調節障害」の理解と子どもの未来』in 奈良 で学んだことを元に執筆しています。
お子さんに、こんな症状はありませんか?
- からだの病気があるわけではないのに朝起きられず、遅刻や欠席をしがち
- 体育や朝礼で長く立っていると気分が悪くなったり倒れてしまう
- 頭痛、腹痛、めまい、倦怠感、吐き気、不眠、動悸、息切れ、失神、微熱など

推定患者数は、国内で約100万人いると言われています。
アトピー性皮膚炎の患者数が約51万人ですので、およそ2倍の数になります。
中学生では5人にひとり、不登校の約40%が起立性調節障害が原因と言われています。
なぜ症状が起きるのか
起立(立ち上がる)動作に伴って、本来なら体が自動的に調整するはたらきがうまく行かずに、めまい、ふらつき、転倒、血圧低下などが生じます。
立ち上がると、約500~700mlの血液が下半身に移動します。
自律神経が正常にはたらけば、全身の血管を細くして血圧を上げ、心拍数も上げて、脳への血流を維持します。自律神経がうまくはたらかないと、血圧が保てずにめまいやふらつきなどの症状が出てしまいます。
脳への血流が減ることによって、やる気の消失、記憶力の低下も生じます。イライラする場合もあります。
起立性調節障害(OD)では、これらの症状が午前中に強く、午後になると改善してきます。
お子さんが、学校に行きたいのにこれらの症状のために行けない場合や、時間・季節・天候の変化と症状に関連がありそうな場合はODを疑います。
気温や気圧の変動があるときは、調子が悪くなりやすいようです。ODの子どもたちへのアンケートによると、体の症状、心の状態がもっともしんどかった月は、いずれも6月が抜きんでています。
起立性調節障害の診断
医療機関を受診する際は、小児科を受診してください。
- 問診、診察
- 血液検査や心電図検査でOD以外の病気かどうかをチェック
- 起立負荷試験を行い、ODかどうかをチェック
起立負荷試験とは
連続的に血圧・心拍数を測定する装置をつけて、10分ほど安静にした(寝た)状態から立ち上がったときの血圧と心拍数の変化の様子を調べます。
ただし、起立負荷試験の装置は台数が少なくて、兵庫県に5台、奈良県には今のところ1台しかないそうです。三重県については情報を得ていません。
起立性調節障害の診察に前向きではない小児科医もいらっしゃるようです。症状改善に時間がかかることが多く、治療を試みてもなかなか良くならないのがその理由のようです。
起立性調節障害は、大人になれば治ります。後に述べますが、お子さんが安心して過ごせる環境を用意してあげることが何より大切です。
心がけること
- 起立時は、30秒ほどかけてゆっくり立つ
- 起立中は、足踏みや足をクロスする(血圧の低下を防ぐため)
- 日中はからだを横にしないように心がける
- 規則正しい生活リズム(ただし強要はしない)
- 散歩、水泳などの軽い運動
- 水分を一日に1.5~2リットル飲み、塩分を1日3g程度多く摂る
水分を摂ると血液量が増え、血圧が上がります。
ただの水よりは、ミネラルを含むお茶かスポーツドリンクがいいようです。
利尿作用のあるカフェインは避けましょう(おしっこで出てしまうと血圧が下がるため)。
子どもは親の生活スタイルを無意識に真似ています。親御さんもしっかり水分を摂ることが大切です。
学校にも協力してもらう
担任や養護教諭に病状を知らせ、ODについての理解を深めてもらいましょう。
中等度以上では、心無い言葉を避けるためにもクラスメイトにも説明してもらう方がよさそうです。
体育、部活、朝礼時など、3分間以上の起立や暑気は避けるようにお願いします。
軽症では運動制限は必要ありません。中等度以上では、競争したり、短距離走、マラソンなどの激しい運動は見学させてもらいましょう。

お子さんへのこんな対応はNGです

「気合でがんばりなさい!」
「学校を休みたいだけでしょ!」
「怠けるんじゃない!」
ODは決して怠け病なんかではありません。
ODを経験している子どもたちに、しんどい症状を何かに例えて表現してもらったものがこれです(しもたけクリニック、下竹先生調べ)。
- バットで殴られるような頭痛
- 20kgの錘を背負っているようなだるさ
- 金縛り状態で全身にダンベルが乗った感じ
- 10kmマラソンを走ったくらいのしんどさ
- ジェットコースターに4回乗るくらいの吐き気
- 目の前が真っ暗になり地震のようなめまい
- 脳から血が全部なくなったようなめまい
- 徹夜をした時のような強い眠気
これを聞いても怠け病と思えるでしょうか。
だれよりもつらい思いをしているのは子どもたちです。
周囲の大人、とくにご家庭と学校の先生の理解が大切です。
不登校になったときの家庭の対応
- 勉強や登校を強要しない
- 学校に行きたいのに行けない気持ちを理解してあげる
- 勉強せずゲームばかりしていても責めないで!(特にお父さん「俺はこんなに働いているのに・・・」とか言わない)
- 不安やイライラで夫婦仲も悪くなりがちですが、仲良くしてください
- 家族みんなでお子さんを見守り、安心して過ごせる環境が大切です
- 体調が良くなってきても、少しずつの復帰を目指しましょう

不登校になったときの学校の対応
- 登校を強要しない
- 苦しんでいる生徒や家族のしんどさを受け入れる
- 生徒の声に耳を傾けながら、電話連絡や訪問を行うが、嫌がるようならストップする
- 可能な限り、放課後登校や保健室登校を認める
- 様子を見てスクールカウンセリングをすすめる
安心できる居場所が何より重要です
いちばんつらいのも、いちばん治りたいと思っているのも本人です。
ご家族にとっても経験したことのないことで、理解できなかったり不安にかられたりすると思いますが、どうかお子さんを信じて、ゆっくり見守ってあげてください。
いちにち中スマホをいじっていたり、ゲームばかりしていたり、という姿に、焦りや苛立ちを感じてしまうと思います。でも、取り上げたりしないでくださいね。動きたくても動けない状態で、スマホやゲームを通じたつながりが心の支えになっていることもあるようです。
ODの二次障害として、長引く不調から自分はもうダメだと抑うつ状態になったり、周囲の理解が得られず不信感や孤立感を深め、不登校や引きこもりになる場合もあるようです。
お子さんは、今を精一杯生きておられます。そのことを信じ、見守ってあげてください。
ODは大人になれば治ります。
安心できる居場所があり、自分は大丈夫と思えている子ほど、回復が早いようです。
ゆるめる整体と起立性調節障害
ゆるめる整体では、そっと触れる、やさしくゆらす、さするといった、からだにとって心地よい刺激によって、筋肉や筋膜の緊張を取り除きます。
筋肉がゆるめば、
- 体液循環が改善します
- 細胞に酸素が届きやすくなります
- 神経伝達が良くなります
- 生体電流が流れやすくなります
- これらの変化により、自律神経の機能が徐々に回復します。
からだをゆるめることは施術者が行いますが、それに伴って生じる変化は、ご自身の体が自発的に行います。
からだをゆるめるというきっかけによって、自然治癒・自己治癒が起こりやすくなります。栃木県で起立性調節障害の子どもたちへの施術を続けておられる、同じ門下の山野先生の経験によると、平均すると1~2カ月程度で変化が起きてくるようです。
山野先生のウェブサイトで、「お客様の声」を通じて、改善に至る様子を伝えてくださっていますので、よければご覧ください。もちろん個人差があります。
子どもたちがつらい状態から抜け出し、友だちと一緒にあそんだり、部活をしたり、入りたい学校を目指したりできるようになるといいですね。
燦々堂のウェブサイト
https://kodomo-sansando.com/

ODに出会うことは悪いことばかりではありません。
ひとりで苦しまないでくださいね。サポートしてくれているNPO法人もあります。
ODと出会ったことも、その子の、そしてご家族の人生です。
無駄なことはひとつとして起こりません。
心から笑顔になれる日を、ご家族で迎えられますように。
専門の医療機関
えがおのこども しもたけクリニック
https://smile-children.jp
